文筥(ふみばこ)はもともと書状を入れる箱でしたが
江戸時代ごろに、
蒔絵(まきえ)や螺鈿(らでん)などの美しい飾り文筥を
嫁入り調度品としてそろえるようになったようです。
この度、この文筥を屏風で描かせて頂く機会を頂きました。
こういった題材は取り組む機会がなければ
向き合うことのないものですので
貴重なものだと思います。
『文筥図屏風』
ジャパネスクのシリーズを描く中で
「物」を描く機会はあったのですが、
屏風に描く、という機会は初挑戦でした。
着物の文様などを調べて進めていましたが、
着物の絵師の方の気持ちが
すこし感じられたように思います。
またこの屏風では多くの種類の花々が入っていますので
雅で豪華な仕上がりになりました。
表具もよく合っていて、
確かに嫁入り調度品のような風格になりました。
撮影はランデヴーギャラリー2階の床の間にて。
町家の風情が屏風とあわさり凛とした空間にさせてくれました。
40歳の始めにこういったお仕事をさせて頂ける機会が出来たこと
とても嬉しく感じています。