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佐藤潤オフィシャルブログ

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室町時代の宝船


いよいよ明後日より福岡での個展が始まります。
この作品は中世の宝船を描きました。
「初夢」の文化は室町時代ごろからあったようで、当時は今のような七福神を描いたものではなく、この絵のような宝船でした。そしてこのような和歌がかならずかかれていました。
『なかきよの とおのねふりの みなめさめ なみのりふねの おとのよきかな』
(長き夜の 遠の睡りの 皆目醒め 波乗り船の 音の良きかな)
これは後ろからも前からも読むことの出来る「回文歌」になっています。
獏は古来より悪い夢を食べることから船の帆には「宝」ではなく「獏」と描いてあります。
この作品では船の帆が特徴です。遠近法を無視した複雑で色鮮やかな帆は吉夢をいかにも呼びそうです。この作品は福岡での個展に出展いたします。